ITコンサルタントは独立して年収アップとキャリア成功を達成できるのか?

ITコンサルタントとして働いていると、独立することで年収がアップし、キャリアを広げられるのではないかと考えることでしょう。
ただ、これを実現できるのかどうかは自分では判断できず、悩んでしまうことが多いはずです。
今回は、コンサルティングファームなどで働くITコンサルタントへ向けて、独立しフリーコンサルとなる方が良いのか、年収アップは期待できるのかなどキャリア面について解説します。
1. ITコンサルタントが独立を考える理由
ITコンサルタントが独立を考える理由は多岐にわたります。まずは代表的な理由を確認していきましょう。
自由度の高さと収入アップの可能性
フリーコンサルとして独立する最大のメリットは、自由度の高さだと考えられます。例えば、参画するプロジェクトの選択や、働く時間や場所を自分でコントロールできます。組織に所属していると、全体の方針や上司の指示を優先せざるを得ません。しかし、独立すればそのような制約なく、自分の考えに沿って行動できることが大きな理由です。
また、ITコンサルタントは高い専門知識が求められ、高収入を得られやすいポジションです。組織に所属するよりもフリーコンサルの方が収入アップする可能性が高く、これを理由に独立を考える人も多く見られます。ただ、収入アップを期待できる反面、案件を獲得できず収入がゼロになるリスクもあります。収入面は独立を考える大きな理由ではあるものの、デメリットやリスクにもなりうるため、必ず両面を認識しておかなければなりません。
IT需要の高まり
現在は、企業がITを活用して新たなビジネスモデルを生み出す傾向が加速しています。また、社内の業務を効率化するなど、DXに関連する活動も増えてきました。このような状況で、ITコンサルティングのニーズは高く「ITフリーコンサル」が現場で多く見られるようになっています。これに刺激を受けて「自分もフリーコンサルとして案件を獲得したい」と考える人が増えてきました。多くの需要があるため「スキルを磨けば独立しても十分勝負できる」と確信できることが大きな理由です。周囲が独立していくこともあり、ここ数年で独立志向を持つITコンサルタントが増加してきました。
働き方改革の浸透
リモートワークや働き方改革も、ITコンサルタントとしての独立を後押ししています。コンサルティングの仕事は、基本的に情報収集や分析、そしてコミュニケーションが中心です。つまり、クライアントと対面でコミュニケーションを取るタイミング以外は、基本的にリモートワークでも差し支えありません。これは現在の働き方改革と非常に相性が良いといえます。フリーコンサルになることで、自分自身が望む柔軟な働き方を実現しやすくなるため、これも独立を考える人を増やす理由となりました。
自己実現ややりがい
ITコンサルタントの中には、自分の中に信念があり、それに沿ったコンサルティングを提供したいと考える人がいます。しかし、組織に在籍していると、自分を完全に表現することはできません。どうしても何かしらの制約が生じてしまうのです。そのため、独立し制約がない状況で、自分の信念を最大限表現したいと考える人が見受けられます。
また、上司などのサポートがない環境で活躍したいという理由も多いようです。日々の負担は高まりますが、それをやりがいだと感じ、さらにハードな案件へと参画していきます。「自ら切り拓く」という感覚を求めるITコンサルタントは多く、刺激的なモチベーションを得るために独立が選択されがちです。
2. フリーランスITコンサルタントの年収とキャリアの現実
フリーコンサルとして、独立するにあたって気になるポイントは、年収やその後のキャリアバスではないでしょうか。
続いては、有名ファーム出身者の状況などを踏まえて、独立後、どのような状況が期待できるのかについて解説します。
有名ファーム出身者の年収事情
年収について公的な情報が公開されていないため、Web上の案件情報やフリーランスエージェントの公表データを統合してみます。その結果、有名ファーム出身者がフリーコンサルとして、ITコンサルティング案件に参画する場合、年収ベースで1200万円から2000万円程度が目安と算出されました。実務経験や担当領域、参画形態などによって左右されるものの、おおむねこの程度の金額が収入になると考えてよいでしょう。
また、参画する業界や業種、そして働き方によっても年収は大きく変化します。例えば、プロジェクトの内容が、DX推進やクラウド移行、データ解析などトレンドの分野であれば、需要が高単価になりがちです。他にも、案件の稼働日数によって年収は変化し、週5日稼動か週3日や週4日の稼働に抑えるかでも大きく変化します。ただ、働き方の柔軟性を担保しつつ、収入を最大化できることはフリーコンサルの魅力といえるでしょう。

3. フリーランスITコンサルタントのキャリアパス
フリーコンサルを目指す場合、キャリアパスは大きく分けて2つ考えられます。
専門性を磨き続けるキャリア
フリーコンサルとして案件を重ね続ける中で、特定の技術に関する業界に関する知見が深まるはずです。これを継続し、専門性を磨き続けるキャリアがあるでしょう。例えば、製造業界に特化したり金融機関のような法的な規制を深く理解したりするのです。得意領域を明確にしておくと、リピート案件や同業他社から案件を紹介してもらえる可能性も高まります。
CxOなどのポジションを目指すキャリア
ITコンサルタントは経営層などに経営面の課題を解決する方法を提案するポジションです。そこからさらに派生し、自分が経営層に回るというキャリアプランも考えられます。ITコンサルタントとして、深い知見を得た状態で経営層に回り、激しく変化する市場において素早い決断を下すのです。
また、ITコンサルタントはテクニカルな知見を数多く有しています。これを活かしてCTOなど、テクニカルな側面で企業を支える選択肢もあるでしょう。
4. 独立後に成功するためのステップ
ITコンサルタントとして独立を目指すにあたって、思いつきで行動することは望ましくありません。ステップを理解して、準備しながら独立を目指しましょう。
目標とリスクの整理
最初に目指す働き方や年収、そして専門領域を明確にしましょう。「どのような案件を中心に請け負いたいか」「どの程度の収入を目指すのか」など独立後のイメージを具体的に持つことが重要です。
また、成功したときのイメージだけではなく、リスクについても想定しておきましょう。例えば、案件が確保できない場合、何ヶ月ならば生活できるかを把握しておきます。フリーランスはいくつものリスクを抱えるため、それらに対応できるかの評価が重要です。
スキルや強みの棚卸
コンサルティングファームで培ったノウハウや業界知識を洗い出しておきましょう。独立した後は、これらの経験が自分の武器となり、案件を獲得する際のアピールポイントとなります。例えば以下のようなアピールポイントが考えられます。
- ロジカルシンキング
- フレームワーク活用
- プロジェクトマネジメント力
- 業界特化スキル など
これらは一例ですが、自己分析によって、どの案件にフィットするか把握しなければなりません。
加えて補強したいスキルの学習プランも明確にしておきましょう。現在はDXやクラウド、データサイエンスなど進化が激しい分野があります。これらの知識が不足すると活躍の幅が狭まるため、自発的にスキルアップすることが重要です。
自分を売り込むための準備
実績を示すために、まずは職務経歴書を作成しましょう。在籍したファーム名や担当プロジェクトを明確に記載し、アピールポイントとすることが重要です。特に有名ファームの社名は「ブランド」として活用できるため、必ず明記することをおすすめします。
加えて、参画したプロジェクトの規模や具体的な成果を数値で示しておくことが望ましいです。他にも「何名のチームを率いていたのか」「どのような役職で参画していたのか」は、単価や案件選定の際に大きなアピールポイントとなるため、ここも強調すべきです。
案件獲得方法の確保
フリーコンサルが案件を獲得するためには、フリーランスエージェントを利用することが一般的です。また各種マッチングプラットフォームや、クラウドソーシングサービスを利用することもあるでしょう。これらについては、事前に登録などが必要であるため、独立する前段階として登録しておくことをおすすめします。事前に面談などが実施されることが多く、それらも済ませておくと、独立してから案件をスムーズに見つけられるでしょう。また、事前の面談によって案件の獲得方法などを案内してもらえれば、独立後の安心感につなげられます。
フリーランスとしてのマインドセット
ファーム出身のITコンサルタントは堅い印象を持たれがちです。そのため、クライアントの内部事情や文化に合わせて柔軟なコミュニケーションを取れるように意識を持ちましょう。クライアントに寄り添う思想を見せるかどうかが、フリーランスでは非常に重要です。
他にも、プロジェクトの契約形態によって報酬が支払われるタイミングが偏ることがあり得ます。自身のキャッシュフローを見直すなど、経理的な観点も持たなければ生活できません。確定申告などに備えて、日頃から会計ソフトに入力するなどの業務を習慣づけることも重要です。
5. まとめ
ITコンサルタントは、需要の高いポジションであり、独立することで収入アップが期待できます。ただ、事前にキャリアパスを考えたり、成功するためのステップを把握したりしておかなければ、思うように活躍できないでしょう。まずは、自分自身のスキルを棚卸して、案件の獲得方法を明確にする作業が必要です。
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